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洗馬から本山→贄川→奈良井へ 5月16日

洗馬(せば)宿

   ↓        3.3㎞

本山(もとやま)宿

   ↓        7.8㎞

贄川(にえがわ)宿

   ↓         7.3㎞

奈良井(ならい)宿   今日の歩行距離合計 18.4㎞

        日本橋から総計 253.7㎞   

心地よい目覚めで6時に起床しました。

7時にホテルの朝食を食べてすぐに出発、昨日のゴール地点「洗馬宿」に戻ってきました。

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8時ごろ次の本山宿に向かって歩き始めると、すぐに前方から来た車が止まって、中年の女性が顔を出し「どちらからいらしたのですか?」と声をかけてくれました。

「東京からです。」と答えると、「ご苦労様です!もしよかったこれをお使いください。」と言ってこのあたりの案内地図をくれました。

人の良さそうな彼女の笑顔に「今日もまた良い日になるな!」と感じました。

Conv0073_2 少し歩いて国道に出ると、 道路標識に「中津川」や「木曽福島」の地名がありました。

いよいよ藤村の「夜明け前」の世界に近づいてきた感じがして、胸がワクワクしている自分がいます。

9時ちょうどに本山宿に入りました。ここは一軒一軒の家がとても大きくて立派な造りです。

あちこちの家の庭先には鯉のぼりが泳いでいます。

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ここは蕎麦の発祥地としても有名な土地だそうですので、食べてみたかったのですが時間が早いのでまだお店はオープンしていませんでした。

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古いたたずまいの家並みをながめながら歩いていると、前から歩いてきた小学校4年生ぐらいの男の子が「おはようござます!」と大きな声で挨拶をしてくれました。また後ろから走ってきた6年生ぐらいの女の子が追い抜きざまに振り返って「おはようございます!」と可愛い笑顔で挨拶してそのままかけ去っていきました

そう言えば、先ほど宿場の入り口のお地蔵さんのところで会った自転車を押して歩いていたおばあさんも、仲よさそうに歩いていた老夫婦も親しみを込めた声で「おはようございます!」と言ってくれたのでした。

これだけでこの「本山宿」が気に入ってしまいました。

本山宿を通り過ぎて1時間弱歩いたところで「是より南 木曽路」の石碑の場所に至りました。

ここが昔の「信濃国」と「木曽国」の境になるところです。ここからはいわゆる「夜明け前」の書き出しの「木曽路はすべて山の中である」の世界です。

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石碑の横を少し下ったところにあずまやがあったので、そこに座って小休止をしたあと、また歩き始めました。

まもなく「若神子(わかみこ)」という小さな集落を通りました。ここには湧き水を共同で使うことのできる水場が二カ所ほどある、のどかな集落です。

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八重桜や芝桜もちょうど満開で、とても幸せそうな雰囲気の土地であるように感じました。

途中の路上で二人の高齢の男性に会いました。これから上の神社で行なわれるお祭りに行くところだそうです。

祭の話などを聞いたり世間話などをしたりしながら、しばらく一緒にゆっくりゆっくり歩きました

彼らが子どもの頃は旧街道の趣がまだ十分に残っていて、道路も今のように舗装されておらず車も走っていなくて、実にのんびりとした風景だったそうです。

「昔の街道はよかったわね~ぇ」と二人とも声をそろえて言っていました。

分かれ道で彼らと別れて30分ほど行くとお昼ごろ贄川(にえがわ)宿に入りました。

その手前から祭装束のはっぴを着た親子や鉢巻きを締めた青年などに行き会いましたので、贄川宿でも今日は御柱祭のようです。

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宿場の入り口の関所を見学してから宿場内に入っていくと、街道沿いには祭の飾り付けがしてあり、露店もならんでいました。

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向こうの方から祭のお囃子の音が聞こえるので、そちらに向かって歩いて行くと、そこには大勢の人が集まって御柱を取り囲んでいました。下諏訪の御柱に比べるとはるかに小ぶりな柱なのですが、人々は晴れがましく嬉しそうな顔をしています。

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7年に一度のお祭りだそうですが、大人も子供も楽しみに待っていたお祭りなのでしょう。

Conv0120 どこの家でも道路に面したガラス戸を開けてお酒や料理などを振る舞っていました。私もだまって見ていたら「ま、ま、お酒でもどうぞ!」と勧められるかなと思ってあちこちの家の前でたたずんでいましたが、どうもよそ者には振る舞わないおきてでもあるのか一切勧められることはありませんでした。

しかし、お酒も料理も空きっ腹の私には美味しそうに見えて仕方がありませんでした。

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道路際に座って法被を着た人たちと話をしましたが、今日のこの賑わいは7年に一度の祭に合わせて故郷に帰ってきて参加している人が大部分だとのことでした。自分も埼玉県から来たとのことです。

おそらく普段は過疎化した、老人の多いひっそりとした集落なのでしょう。

去りがたい気持ちで贄川宿を出て、次の宿場の奈良井宿を目指しました。

途中、道の駅に立ち寄り、名物のお焼きを食べました。中に野沢菜が入っていて美味でした。

しばらく行くと平沢という町に入りました。ここは昔から漆器の名産地で、道の両側には古い漆器の店が並んでいます。

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何軒かのぞいてみましたが、欲しくなるような物がいくつも並んでいました。

しかし、荷物になるし値段も高価なので買うのは我慢しました。

そこからしばらく歩くと3時半ごろ奈良井宿に着きました。

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昔ながらの宿場町を保存してある風情のある町並みです。

今日はもう一つ先の薮原宿に宿を予約してあるので日が暮れる前に鳥居峠を越えるつもりでしたが、この調子では途中で暗くなりそうですし木曽大橋も見物したいので今日はここで終わりにして電車で薮原宿まで行くことにしました。明日またここに戻ってきて歩き始めましょう。

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奈良井宿をぶらぶら歩いて宿場の出口まで行き、そこからまた引き返して奈良井駅まで戻ってきました。

すると電車が出たばかりで次の電車まで1時間近くあったので、これ幸いとぜひ訪れてみたいと思っていた「木曽大橋」に向かいました。

駅から歩いて15分ほどです。人影のない道を歩いていると後ろから誰かの足音が聞こえ、「コンニチワ!」と声をかけてきました。

ヨーロッパ人らしい青年の笑顔がありました。そこから橋まで私の下手な英語で話しながら歩きましたが、彼はスイス人だとのこと。中山道を歩いて旅をしているとのことで驚きました。

スイスのどこから来たのかを聞くと、ルッツェルンからだそうです。私も以前行ったことがあって好きな街の一つだったので「ルッツェルンと言えばカペル橋が有名ですよね。」と言うと、嬉しそうな顔をして驚いていました。

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彼は今晩この奈良井に泊まるそうですが、私は電車の時間が気になっていたので、それ以上ゆっくりとは話せず、彼とはもう会うことはあるまいと思いながら握手をしてそこで別れました

そして奈良井駅から電車に乗って薮原(やぶはら)まで行き、予約を入れておいた旅館にわらじを脱ぎました(靴を脱ぎました)。迎えてくれた奥さんは優しそうなとても良い感じの人です。

旅館はひっそりとしていて、今晩の泊まり客は私一人だそうです。

お風呂に入ってから食堂へ行くとだだっ広い部屋のテレビの前に一人分の食事がぽつんと準備してありました。

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しかし、私一人のためにわざわざこの地で採れたフキの炊き込みご飯をつくってくれたそうです。フキと魚の白身を炊き込んだご飯は実に温かく心のこもった味がしました。

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食後、長い夜をテレビで龍馬伝を見たりI-podの音楽を聴いたりしながら、いつのまにか眠りにつきました。

今日の一日の歩数は39498歩でした。Conv0159

 

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